九州大学大学院医学研究員眼科学分野 九州大学 眼科
Last Update 2008.9/28
プログラムの特徴
■最短での専門医資格および学位の取得が可能
■最先端の高度な診断技術の習得が可能
■レベルの高い手術教育
■世界レベルの臨床に直結した研究が可能
■安定した収入を得ることが可能
目的
眼科臨床における診断や治療を手術研鑽もふくめ、体系的に修得する。最短での眼科専門医資格取得を目指す。
勤務
大学病院または関連病院(以下に示す)での研修原則として大学病院での研修から開始とするが、研修希望者が多い場合は関連病院からの研修開始の場合もある。
関連病院から研修開始の場合(1年次関連病院)、2年次は大学病院勤務となる。大学病院での身分は医員の予定である。
病棟診療(大学病院勤務の例)
1年次は病棟医長および指導医の下、初期研修医とともに各種眼科検査・診察技術の向上につとめ、副主治医として実際に患者を受け持つ。
ただし初期研修ですでに眼科を6か月以上経験しているものは、主治医として、指導医の監督下で患者の診療にあたる。
2年次以降は(大学スタート、関連病院スタートとも)主治医として、病棟医長および指導医の監督下で患者の診療にあたる。
手術教育の目安(大学病院勤務の例)
1〜2年次:主に斜視、外眼部手術および白内障手術の執刀、硝子体手術などのより高度な手術の助手を行う。
3年次以降:白内障、緑内障などの内眼手術および網膜剥離手術の執刀、より高度な手術の助手を行う。
さらに高度な手術の執刀(研鑽)については5年次以降、専門医取得後に行う。
外来診療(大学病院勤務の例)
2年次以降外来に配属になる場合もある。
外来担当医は、九大病院眼科外来での主治医の他、以下の特殊再来(専門外来)をローテーションし担当する。
九州大学眼専門外来
緑内障・ぶどう膜炎・未熟児網膜症・眼腫瘍
加齢黄斑変性・糖尿病網膜症・網膜硝子体・網膜色素変性症
学会発表・論文執筆について
少なくとも年1回は研究会や学会で発表する。
4年次までに眼科専門誌に原著論文を発表する。
(専門医受験に必要)
備考
勤務の配置(研修先)については教授・医局長の面接で決定する。
給与に関しては大学勤務で30万程度(詳細は面接時に説明します)、
関連病院については病院毎の給与体系に従う。
大学勤務ではこの他出張費が給与に加算される。
眼科臨床研究5年次のはじめ(6月)に眼科専門医試験を受験
(眼科入局時に日本眼科学会へ入会が必要)
眼科専門医取得後(5年目以降)は本人の意見を尊重し、
引き続き大学病院や関連病院で研鑽を重ねるか、
大学院へ進学するかは教授・医局長と面接し決定する。
研修途中での大学院入学も可能。
> 現在九州大学眼科の研修可能な関連病院(平成19年6月現在)
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大学院進学
後期研修1から2年を終了し、眼科の基本的な知識や技術を習得たものについては、希望により大学院に進学し眼科研究に従事する。
ただし、進学時期・研究内容の選定は、教授と相談の上決定する。
また臨床大学院については眼科臨床研修も平行して行うため、学位取得と同時期の眼科専門医資格の修得が可能。
目的
トランスレーショナルリサーチを念頭に、先端の基礎研究に従事することで、眼科治療への応用をはかる。
眼科臨床大学院での研究内容の一部
加齢黄斑変性グループ
加齢黄斑変性は高齢者の黄斑に生じる疾患で、欧米において後天性失明原因の上位を占め、近年我が国でも増加傾向にある。当科での症例数も年々増加しており、全国でも有数の施設となっている。治療として主に、中心窩外の活動性病変に対してレーザー光凝固を、中心窩下の活動性病変に対して光線力学的療法を行っている。光線力学的療法は平成16年7月より開始し、良好な短期成績を得ており、現在長期の経過追跡を行っている。また新しい薬物療法の多施設臨床試験にも参加し、治療成績の向上をめざしている。さらに、培養網膜色素上皮や脈絡膜血管内皮細胞を用いたin vitroのシステムや、レーザー脈絡膜血管新生モデルマウスなどを用いて、加齢黄斑変性増悪の原因となる脈絡膜血管新生の分子メカニズムの検索を行っている。
網膜・硝子体グループ
糖尿病網膜症も依然として我が国の後天性視覚障害の主因である。ある程度病態が進行した段階での外科的治療としての硝子体手術の進歩には目覚ましいものがあるが、外科的治療には限界があるのも事実であり、その一方で確立した薬物療法は現段階では存在しない。我々は分子細胞生物学的な観点から病態の解明を行うことによって、根拠に基づいた新たな治療法の確立を目指している。培養細胞あるいはモデル動物を用いるアプローチが主になるが、各種細胞の分離培養法やモデル動物の分子細胞生物学的な解析法に関しては我々が卓越したものを有している。これまで網膜症の病態と関連する因子やその作用機序について解明してきたが、さらに硝子体手術後の合併症の一つである増殖硝子体網膜症の病態について分子細胞生物学的に解明し、これまでにない治療アプローチについてその意義や有効性について新たな概念を発信し続けている。
ぶどう膜炎・眼免疫グループ
ぶどう膜炎は各種自己免疫疾患や感染症などの全身病との関連が強く、未だ原因不明のものも多い。その中にはベーチェット病に代表される、視力予後不良な疾患も含まれる。ぶどう膜炎・眼免疫グループでは、免疫学分野の基礎研究の経験に基づき、種々の免疫学的手法を用いて、ぶどう膜炎の病態や治療に関する研究を行うと同時に、広義の炎症性疾患である加齢黄斑変性症で視力低下の原因となる脈絡膜血管新生の発症機序、治療に関する研究を行っている。特に自然免疫細胞と言われる好中球、マクロファージ、未熟Tリンパ球などを利用した、新しい眼炎症抑制法開発を進めている。またぶどう膜炎の中でも失明率の高いベーチェット病患者に対し、世界に先駆けて顆粒球除去療法を取り入れ、成果を出しつつあると同時に、平成19年1月より認可された抗TNFα抗体療法を積極的に取り入れ、良好な治療成績を収めている。
網膜色素変性グループ
網膜色素変性は網膜視細胞が変性する疾患で、進行すると視機能を高度に障害し、患者のQOLは著しく低下する。これまでに薬物療法などの種々の治療法が試みられてかいたが、未だに有効な治療法が確立されていない。我々は独自に開発した組換えウイルスベクターであるサル由来レンチウイルス(SIV)ベクターを用いて、神経栄養因子を用いた遺伝子治療の有効性を明らかにしてきた。さらに、大型動物であり自然宿主でもあるサルを用い、その網膜下にSIVベクターを投与することにより生じる眼球内さらには全身への影響を検討し、短期間の安全性を確認、現在は発癌性などについての長期の安全性について検討している。この九州大学独自の遺伝子治療により、神経栄養因子遺伝子搭載組換えサル由来ウイルスベクターによる網膜色素変性に対する治療法の安全性と有効性を明らかにしていく。
緑内障グループ
緑内障は眼圧が上昇し視神経乳頭が陥凹し、視神経線維が薄くなることにより視野狭窄をきたす疾患である。我々は、最新の機械を駆使して、緑内障の早期発見、早期治療を行っている。視野検査としてゴールドマン、ハンフリーやオクトパス視野検査を、視神経乳頭解析としてHRTを、視神経線維厚解析装置としてGDxを導入している。最新式のOCT3では、視神経乳頭解析と視神経線維厚解析の両方を行うことができ、さらに視神経乳頭血流解析装置としてHRFがある。これらの検査結果を有機的に統合して、患者1人1人に最適の点眼薬の選択を行って、その臨床成績を検討している。また動物実験で、神経節細胞保護効果をもった遺伝子を眼内に導入し、緑内障に対する遺伝子治療の可能性についても検討している。
眼腫瘍グループ
眼窩部のMALTリンパ腫の治療と副作用、また原因については現在の眼腫瘍界の課題であるが、局所放射線治療が奏功しないリスクファクターは何か?放射線角膜症のリスクファクターは何か?またMALTリンパ腫の基盤になる炎症は何か?という臨床研究を行っている。眼内腫瘍では、国内ではまだ少ない眼内悪性黒色腫のガンマナイフ治療と、網膜芽細胞腫の化学療法のトライアルを行いその有効性を検討している。
ゲノム眼科グループ
ヒトゲノムプロジェクトが終了した現在、眼科領域でも多くの眼疾患の責任/感受性遺伝子の同定が相次いでいる。我々も、数年前より、九州大学病院倫理委員会の承認を得て、遺伝子診断をスタートさせた。これまで既に、角膜や網膜硝子体ジストロフィ、先天緑内障、視神経萎縮、腎コロボーマ症候群、弾性線維性仮性黄色種、家族性滲出性硝子体網膜症などの患者さんに対し遺伝子解析を行い、ゲノム診断が病態の正確な把握や診断確定に有用であることを提示している。現在も引き続き、関連病院の先生方と協力して、より多くの眼疾患のゲノムレベルでの病態の正確な把握を行っている。さらに、画期的なゲノム診断システムの開発も試みており、すでに角膜ジストロフィの迅速診断システムの構築に成功している。将来的には、DNAチップなどのゲノム科学的手法を積極的に採りいれて、個々の患者さんの疾患/薬剤感受性を早期に把握し、患者さんへよりきめ細かなオーダーメードの医療を提供することを目指している。
久山疫学研究グループ
久山疫学研究グループでは福岡県久山町で毎年行われている住民健診に眼科部門として参加している。分子遺伝学や統計学の手法に基づいて、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの成人中途失明につながるような病気に対して、日本発の世界でも貴重なデータをまとめている。
備考
大学院生の生活については充分な出張先を確保しているため、家族があっても生活に苦慮することは全くない。
本格的な眼科臨床医としてのトレーニングや手術研鑚は学位取得後に行う。
海外留学については、本人の希望を尊重し、教授と相談のうえ許可する。
追加:九大眼科発ベンチャーの設立
平成16年度の大学独立法人化を契機に、国家財源の多くを割かれる研究に関して、その結果がいかに社会に還元されるものであるかが重要視されてきている。我々は、よりよい先端医療を実現する為、上述のような決定的な治療法のない眼疾患に対し、産学連携を行い、新規治療薬や医療機器開発を進める目的で、アキュメンバイオファーマ株式会社を設立した。産・学・官が互いに手を取り合い、連携からイノベーションへと進むことは、新しい眼科医療の創出のみならず、九州地域経済の活性化や、日本の財源確保にもつながる事が期待される。時代の変化とともに、当教室での取り組みも様変わりしてきているが、近未来のよりよい眼科医療を創り出すべく、医局員一同研究に邁進していく。
> 現在九州大学眼科の研修可能な関連病院(平成19年6月現在)
※いずれのコースについても、性別・出身大学・年齢は不問です。
入局状況
平成20年 2人
平成19年 5人
平成18年 8人
平成15年 13人
平成14年 7人
平成13年 13人
平成12年 11人
平成11年 9人
平成10年 10人
平成 9年 6人
平成 8年 12人
平成 7年 8人
平成 6年 7人
平成 5年 11人
お問い合わせ
御不明な点や質問は以下の連絡先までお願い致します。
九州大学眼科医局長 吉川 洋(よしかわひろし)
TEL. 092-642-5648 / FAX. 092-642-5663 / E-Mail.
oculus@eye.med.kyushu-u.ac.jp
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